★ぼくの地球を守って
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★ぼくは地球と歌う
1巻,
9話
4巻の感想です。
4巻までで主要な人間関係は語られます。
ちょうど1/3が完了したというところでしょうか。
物語の最後まで続く伏線と疑問も、読者にきちんと示されています。
その後は紫苑と木蓮の夢の詳細や春彦サイドと輪の対立へと進展していきます。
4巻の表紙は、夢と現実が分からなくなってしまう輪の苦悩が記載されています。
春彦と亜梨子の密会、
輪と亜梨子の婚約、
何故春彦は自殺したのか、
会合メンバーに怪しまれます。
「輪くんが何考えてるのかわからない」
デートから帰った亜梨子は輪の考えが分からないと泣きます。
このイベントで亜梨子は次第に輪中心に物事を考えるようになっていきます。
後編のボク月にも出てくる輪の詩。
輪が小2とは思えない孤独を抱えていること、亜梨子を本気で好きな事が伝わってきます。
輪は亜梨子との婚約を解消します。
秋を演じてキーワードを集めるには不都合だったからです。
「どうして?輪くん」
「ずるいなあ。聞いてばっかり」
「
答えはみんな君の中にあるのに」
亜梨子が木蓮としての記憶を取り戻さなくては理解出来ないところに輪は居ます。
亜梨子は、自分が憶いださなくては輪は救えないと悟ります。
ボクとオレの間で彷徨う輪の主格。
追い詰められたように爆発する輪の孤独。
輪は深いところで本気で亜梨子を必要としている。
「
どうして毎晩 月での夢をみなくちゃならないんだ」
「
どっちが現実なのかわからない わからないんだ」
作中で最も、輪自身の心情が素直に表現されているシーンになります。
この言葉はずっと亜梨子の中に残ります。
輪がここで亜梨子に孤独を吐露出来たからこそ、亜梨子は輪へと辿り着けるようになります。
輪は、毎晩月でたった独りの夢を見ると言う。
どっちが夢なのか、現実なのかが判断出来ないと。
8歳の小さな身体の中で、幼い輪と、紫苑の強烈な記憶が争っています。
「月に やっぱりオレは たった独り」
「どこを探しても 君はいない」
亜梨子は輪が月に独り遺された記憶を持つことを理解します。
亜梨子は少しずつ気付いていく。
輪の亜梨子への想いは、普通の8歳の男の子が近所のお姉さんに憧れるような気持ちではない。
亜梨子自身の紫苑へのほのかな憧れとも違う。
輪の想いは、もっと孤独で複雑で本質的な感情だと理解していきます。
亜梨子は無自覚ながら輪からの婚約破棄にショックを受けています。輪の切実さ、真摯さに触れて、亜梨子の中にある輪への気持ちも変化していきます。
だけど、亜梨子自身も自分の感情がどういったものなのか分からない状態です。
このエピソードは亜梨子の心をも占めていきますが、読者の心も抉ります。
輪の魅力が大きく現れているシーンではないでしょうか。
輪は婚約破棄を春彦に迫られたとメンバーに伝えます。
迅八がキーワードで夢が本当に過去だったのか確かめられるんじゃと言い出します。
過去だと確認して、亜梨子が木蓮かどうかも分かるんじゃと考えます。
秋(輪)につられて、桜が無防備にキーワードをバラします。
これで、輪(紫苑)、春彦(秋海棠)、桜(繻子蘭)と3つのキーワードが揃います。
死んだ順は、玉蘭、繻子蘭、柊、槐、
秋海棠、木蓮、紫苑だと判明します。
キーワードを集めるのに大介が反対し、年表を作っていくことになりました。
田村は春彦の手紙から7人の人間関係などを理解しようとします。
田村の関係図を見ると、木蓮は4人の男性から惚れられていたという
とてつもない魅力を持った女性だと分かります。
結果、木蓮に選ばれた紫苑は3人の男性から妬まれることになります。
田村は春彦よりの人間のため、輪の孤独を想像しつつも、春彦を守ろうとします。
あばらを折られたということもあるでしょうが、当初田村は春彦中心に物を見ています。
輪の本当の目的は何か。
独りで何と戦っているのか。
田村は未来路の義母と話します。
未来路は超能力のせいで実母に捨てられた過去を持っており、過去に苦しむ春彦と輪たちに共感を覚えます。
未来路は、真面目に協力したいと言ってくれます。
未来路の義母からは、春彦だけでなく、輪も助けてあげるべきじゃないか、と説教されます。
未来路は実母から捨てられた過去をずっと引きずっています。
実の親に拒否された、という出来事は決して忘れられるようなものではないと想像できます。
未来路のこの経験が、最終的には春彦・田村らにも、輪への理解を助けたのではないでしょうか。
この作品は勧善懲悪の話ではなく、春彦も輪もどちらも過ちを犯しています。
過ちを許す、というテーマが未来路の義母の話から発せられます。
余談ですが、未来路がこの義母に惹かれたというのも、このエピソードだけで充分に説得力があります。
ボク月では未来路視点というより、カチコ視点で描かれ、カチコはくよくよと悩む性格でないため、分かりづらい点もありますが、未来路がずっと家族という形に悩んでいるもの哀れだなあと感じます。
個人的な想像ですが、ぼく歌においてカチコが蓮にきつくあたる原因もこの辺りにあるのではないか、と妄想しています。
亜梨子は輪の孤独を理解しようと、木蓮になろうとして、早朝に音楽室で歌うようになります。
亜梨子の歌声は木蓮のように魅力のある歌声でした。
そして、音楽室近くの樹木だけが急成長していきます。
迅八が現世において、亜梨子に惹かれる具体的なエピソードはあまり描かれません。
迅八が亜梨子に惚れ込んだ要因が木蓮というだけではないのなら、この歌声が理由なのかもしれません。
春彦と迅八は駅で会い、迅八が輪と亜梨子の婚約破棄させた事で返答次第で怒るといったところ、春彦がキレます。
玉蘭はずっと木蓮を探すという一成。
玉蘭は転生しても、木蓮を探すだろう。
永遠と片思いが続くのは辛いですね。
「どうして前世なんか憶いだしちゃったんだろー・・・」
一成は前世を抱えることに疲れてきます。
序盤の主役が春彦ならば、中盤の物語の主役は一成です。
終盤の主役は当然ながら輪と亜梨子です。
それぞれが過去に振り回され、葛藤する様が描かれます。
夕飯を作る亜梨子におでんをねだる輪。
春彦は婚約破棄の件で輪を呼び出します。春彦は亜梨子に輪の孤独を救ってもらいたいからです。
それに、春彦は輪の真意が理解できない。それでいながら、春彦は輪を理解しようとします。
「
彼女が生きてさえいてくれれば良い。」
「
全身全霊をかけて守る。」
輪の亜梨子への一途な想いは、想像を絶する深さを示します。
連載中に届く手紙の9割は小林輪へのラブレターだったと作者さんは仰っていましたが、小林輪の最大の魅力はヒロインへの一途な想いだと思います。
前世と今世、過去と現在に渡り、輪は亜梨子を求めています。
そして、9歳差もある亜梨子と自分が不釣り合いだと諦めてしまったのです。
大介が年表を作ります。
柊、後悔するー。
あまり出番のない大介ですが、彼もまた葛藤を抱えていることが伺い知れます。
一成はその文面を見て笑いますが、輪はそれを見て、計画に使えるなと舌を舐めていたのかもしれません。
感謝祭での木蓮の歌の映像を紫苑が管理していた、と輪は教えられます。
輪は動画の存在を忘れていました。
繻子蘭の槐への憧れ。
木蓮や他の男性に厳しい繻子蘭ですが、一途な槐を繻子蘭は羨ましく思っていました。
繻子蘭が槐へ友情以上の感情があったのかは分かりませんが、相当槐へ好意があったようです。
返事はゆっくりでいいと、
迅八に告白される亜梨子。
イジメられかけていた亜梨子を庇ったりと、出会った当初から迅八は亜梨子に好意を示してはくれていました。亜梨子は迅八を好意的には捉えています。
不良から超能力で守ったり、家に度々連絡したり、婚約した輪に嫉妬したり、密会した春彦に嫉妬したり、と迅八の亜梨子への想いは少しずつ育っていきます。
ただ、それが本気にまでなった理由は亜梨子の歌で植物が成長した事にありそうです。迅八は木蓮と思うから亜梨子を好きになった様です。
亜梨子は迅八の優しさに揺れながらも、それ以上に自分に激しい想いを示し孤独に震える輪へと向いていきます。ただ、どこから同情で、どこから友情なのか、兄弟愛のようなものなのか、亜梨子自身も自分の気持ちを理解しません。
木の成長を理由に会合に誘われ、輪を理解し救おうとする亜梨子は会合への参加を承諾します。
未来路は瞬間移動は心臓に悪いと春彦に忠告をします。
未来路が何者か訝しんだ春彦は、自分の手紙が田村に届いていない事を確認します。田村の知り合いでないなら、輪の知り合いかと春彦は悩みます。
転生のためには自殺するな、と紫苑に木蓮は遺言を残します。
紫苑はその遺言を守りました。
9年という孤独を乗り越え、転生を果たし、輪は亜梨子と出逢えた。
輪は、亜梨子の覚醒を望みながら、嫌われる事を何より恐れています。
「
約束を守り、出会いを果たし、覚醒を待つのは、君に嫌われるためじゃない」
「
この理想郷が夢で終わらないことを信じたいー」
輪の真摯な想いは、読者に自然と願いを抱かせます。
前世の恋人同士が転生して出会い再び結ばれる、それが読者の希望となっていきます。
桜になんで木蓮だと思ったの?
と聞かれ、植物の気持ちが解るというと笑われる亜梨子。
亜梨子は輪を理解しようと、輪のために木蓮になろうとします。
最後に独り残ったのは輪だと気付いた亜梨子。
それを否定する輪。
亜梨子は何とか輪に近づこうとしますが、輪は照れ隠しなのか、亜梨子に子供扱いされたと思ったのか、亜梨子を拒絶してしまいます。
輪が抱え、隠そうとする秘密に亜梨子はなかなか辿り着けません。
春彦からも亜梨子に対する姿勢で、何を考えているのか分からないと言われる輪。
春彦は未来路の事を輪に尋ねてしまいます。
輪は未来路には心当たりがありませんでした。
味方を失うと告げられます。
ここで、春彦は田村が手紙を読んだ事を悟ります。
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