ぼく地球の第3部、
「ぼくは地球と歌う」1巻が発売ということで
電子書籍の「ぼくの地球を守って」も無料&割引キャンペーンを
していて、ついつい電子書籍で揃えてしまいました。
私が初めて読んだのは小学5年頃、
その後中学高校大学…と
年齢を経ても感想も変わり、ずっと楽しめる作品でした。
少女漫画の名作といえる作品だと思います。
非常に構成が綺麗で
論理的なこと、
それでいながら深い
人間心理と葛藤が描かれていること、
キャラ設定が長所短所コンプレックスや過去の悔恨等作り込まれていることが
とても魅力的な輝きを持つ作品だと思います。
反面、90年代と少し絵柄が古いことと、嘘をつく登場人物が多く伏線も巧妙で複雑な話になっているため、人を選ぶ漫画かもしれません。
SF好きなら老若男女問わず人気のある物語です。
★ぼくの地球を守って
(1),
(2),
(3),
(4),
(5)
(6),
(7),
(8),
(9),
(10),
(11)
★ぼくは地球と歌う
1巻,
9話
「ぼくの地球を守って」1巻 ネタバレ
文庫版です。
表紙の台詞が泣けます(。>∀<。)
小林輪の初登場シーン。
少女漫画で女子高生がヒロインなことはすぐ受け入れられるのですが
まさがこの小2(登場時は小1)の男の子が主人公だとは思いませんでした。
最終話まで読むと、初登場時の彼の無邪気さが切ないです。
ヒロインは
坂口亜梨子(ありす)。高2。17歳(登場時は高1)
ヒーローは
小林輪(りん)。小2。8歳(登場時は7歳)
高1の冬頃に北海道から東京に引っ越してきた
亜梨子は、隣の家に住むイタヅラ好き小学生の輪に懐かれる…というのが第1話のあらすじです。
この二人は歳が離れており、
「9歳差」と学生には大きすぎる年齢をどう乗り越えるか…というのも一つのテーマになってきます。
というか、なぜ9つも歳が離れているのか、という原因となった事件が2人や周囲の運命を狂わせていきます。
迅八(じんぱち)と一成(いっせい)の登場シーン。
私は腐った表現が苦手だったので
最初この二人はどうも嫌いでした…。
そのうち憎いような可愛いような複雑な感情を持つライバルになっていきます。
今思えば、一成も迅八も、過去でも現在でも、片思いに振り回され続けるという可哀想な立ち位置ですね。
初めて読んだ時は、毎回主人公とヒロインの恋愛を邪魔してきて、それはウザイものでした…(ー ー;)
放課後の校舎裏で、何やら怪しい雰囲気の男子2人を見て、亜梨子は逃げ出してしまいます。
冒頭で物語を動かしていく主要キャラクター達が登場しますが
亜梨子と輪は9歳差という世間の常識からはずれたカップルであり、
一成と迅八は同性愛者(?)という異様な人物紹介をされます。
他の漫画のテンプレ展開ではないので、読者にとって付いていくのがなかなか難しい展開が続きます。
亜梨子と輪が初めて一緒にお出かけした動物園で、迅八と一成に会います。
そこで迅八と一成は2人は
別の人物視点で同じ夢を見ているということ。
夢の舞台は月であること、
宇宙人の科学者なこと、どうも過去の出来事なようなこと、迅八は
玉蘭(ギョクラン)と呼ばれ、一成は
槐(エンジュ)という名前だということを語ります。
そして、迅八は「坂口さんって初対面な気がしない」と亜梨子に定番の口説き文句を述べます。
その帰り、迅八に嫉妬した輪が亜梨子に「オレもデジャブを感じたぞ」と伝えますが、亜梨子は「大人びた事いうのね」と本気にしませんでした。
そこで輪は、亜梨子に本気を伝えようと、怒らせようとして、マンション15階のベランダの柵に登り、亜梨子があげた球根の鉢を落としてしまいます。
怒った亜梨子に叩かれた瞬間、輪は柵から手を離して、
ベランダから落ちてしまいます。
輪は下の樹木に引っかかり一命を取り留めたものの、意識不明となります。
亜梨子は小学生を突き落とした女として新聞に載り、世間の冷たい風に晒されます。
昼休み、教室に居場所を失った亜梨子を元気づけようと
迅八と一成は夢の話をします。
映画のようにドラマチックな人間模様に亜梨子は驚きます。
月には7人の科学者が居ました。
迅八は玉蘭。(ギョクラン)
一成は槐。(エンジュ)
他にマドンナの
木蓮。(モクレン)
木蓮の婚約者で、非行的で不器用な
紫苑。(シオン)
槐の友人の
繻子蘭(シュスラン)
リーダーの
柊(ヒイラギ)
医学博士で内気な
秋海棠(
シュウカイドウ)
夢はこの7人の運命と恋物語、複雑な人間関係を見せる、と迅八と一成は説明しました。
ここまで読んで、やっと読者にメインキャラクター達が説明されます。
この物語は夢により過去を共有する7人が主役となるSFなんだ、と理解できます。
長い意識不明の後、
輪は意識を取り戻しました。
亜梨子が輪をベランダから突き落とし、輪は何とか一命を取りとめた、という出来事が
ぼく地球という作品全体において大きな転換点となっていきます。
ところが、意識を取り戻した輪はどうもおかしいです。
亜梨子を嫁に欲しいと言い出しました。
事故の責任感から、亜梨子は輪との婚約を承諾します。
この時の亜梨子はまだ普通の高校生。
恋心も分からず、輪も近所のお姉さんに憧れているだけで、いずれは婚約は解消されるだろうと軽い気持ちでした。
一途に亜梨子に惚れ込み一緒に居たいと願う輪と、輪の恋愛心を理解しきれず振り回される亜梨子が対照的に描かれていきます。
ヒロインの亜梨子が展開についていけていないので、読者も当然ワケが分かりません。
ぼく地球の序盤は輪の謎な行動の数々について心情的な説明がされず、
亜梨子はそもそも登場人物の中で最も事情を理解しない立場にあります。
そのため、読者にとって冒頭はかなり難解な話になってしまっています。
しかしながら、亜梨子と共にこの「謎の少年・輪」を理解しようと、読者が読み進めていくほどに
読者は複雑な輪という少年の魅力に惹きつけられ目が離せなくなっていきます。
また、「転生」をテーマにしたぼく地球の不思議な世界観に魅せられていきます。
この物語は、【
ヒロインの亜梨子が不思議な少年・輪の心情を理解していく過程】を描いていくお話になります。
一方で輪は夜中にこっそりと家を抜け出し不穏な動きをし始めます。
どうやら
輪は不思議な超能力を使えるようです。
マンション15階から空を飛び、建設会社のボンボンで暴走族のリーダー.タカシに東京タワーをくれ、と脅迫をかけます。
タカシは、暴力団あがりの建設会社の若頭で、タカシの世話役でもある田村に、脅迫されたことを泣き付きます。
亜梨子もまた月での夢を見ます。
亜梨子は木蓮としての視点で見ることになります。
この一度きりの夢で、亜梨子はハンサムな外見を持つ紫苑に対して、ほのかな憧れを抱きます。
この憧れこそが輪を最後まで苦しめていくことになります…T_T
亜梨子は木蓮と紫苑の顔を描いて、夢を見た事を迅八と一成に告白しました。
亜梨子も木蓮として、月での夢を見たことにより、他4人を探そうとします。
7人中3人も存在するのだから、残りの4人もきっと存在するだろうと期待します。
ヒロイン亜梨子が同じ夢を見たことにより、「ムーンドリーム」は他人事ではなっていきます。
この後は、【
夢に振り回される7人】がメインに描かれていきます。
ところが、何故か迅八と一成は暴走族に絡まれます。
輪がタカシの声音を使って、不良たちの糸を引いて居ました。
タカシの世話役である田村は子供好きで、
病弱な春彦を弟代わりにとても可愛がっていました。
田村は暴力団から足を洗ったばかりの松平建設の若頭という立場にあります。
松平建設は東京タワーの改築を請け負っていました。
また、設計リーダーは春彦の父親です。
この田村という大人の男性は、初登場シーンでは脇役に見えますが、物語の最初から最後まで大きなウエイトを占める役割を果たします。
デパートの制服売り場で、
紫苑そっくりな春彦とすれ違う亜梨子と輪。
紫苑に似た春彦に亜梨子は見惚れてしまいます。
惚けた亜梨子を見て、輪が嫉妬します。
「亜梨子と同じ歳で生まれたかった」
「こんなガキじゃやだよぉ」
輪は、非常に
9歳差という年齢を気にしていました。自分が亜梨子に相応しくない、亜梨子の恋愛対象にならないと、悩んでいる様子が描かれます。
輪が悩んでいる、という事。この内実がいずれ重要な意味を持っていきます。
(一巻 終わり)
★ぼくの地球を守って
(1),
(2),
(3),
(4),
(5)
(6),
(7),
(8),
(9),
(10),
(11)
★ぼくは地球と歌う
1巻,
9話
★
ダクソ3攻略,
ダクソ2攻略,
ブラボ攻略,
RO支援AB,
ゲーム感想,
TOP★

PR
この記事へのコメント